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決断力と好奇心がクロスして、
二人はこの街で家族になった。

2021.4.23

決断力と好奇心がクロスして、二人はこの街で家族になった。

靱公園徒歩3分、リノベーション済みのワンルーム70㎡というちょっと珍しい物件に住んでいる熊田大志さん・英里花さんご夫婦。取材当時、結婚されて3ヶ月とまさに新婚そのもの。大志さんは大阪生まれ大阪育ち、英里花さんは九州生まれ九州育ち。新生活を始めるにあたって英里花さんが九州から引っ越したかたちだ。まずはそれぞれの人生について、そしてこの街で始まった新しい人生についてうかがった。

決断力と好奇心がクロスして、二人はこの街で家族になった。

運命を切り拓いた「決断力」。

(ReHOPE)遠距離恋愛からのご結婚、おめでとうございます!
まずはご結婚に至るまでのお二人の人生についてお伺いできますか?

(大志さん)僕は体育大学を卒業後、二年間は教職に就いていたんですが、アメリカでプロバスケットボールの選手になりたいって夢がずっと心にあって。教師を辞めて、単身アメリカに留学しました。英語もほとんど話せず、中学校2年生レベルで英会話の本を一冊だけ買って。行けば話せるようになるだろうという気持ちで飛び込みました

(ReHOPE)もしかしてかなりポジティブな方ですか?

(大志さん)そうかもしれません(笑)。残念ながらバスケットボールで夢を成すことはできなかったんですが、ロスに滞在中、仕事を手伝ってほしいと声をかけてくださった方がいて。いわゆる富裕層が多く住んでいるところで花屋さんをされている方だったんですが、そこで装花、いわゆる花でパーティの演出をするお仕事に出会ったんです。

(ReHOPE)海外ドラマでよく見るホームパーティのイメージですね。

(大志さん)そうですね。土地柄もあるのか、特に結婚式の後にホームパーティを開くのが彼らの習慣で。家も庭も広いから、すごく開放的で素敵なパーティができるんですよね。そこで携わった装花の仕事が本当に楽しくて、帰国して同じ仕事がしたいと思ったんです。

(ReHOPE)留学先でお手伝いされたお仕事が、運命の出会いだったんですね。

(大志さん)教職に戻ることもできたんですが、逆に言えばいつでもできることなので。自分の中に生まれた新しい熱をしっかり捉えたかったんです。留学した時も同じでしたが、重要なのはやはり機を逃さないこと。今しかない、と「決断する」ことが一番重要だった気がします。「決断する」ことそのものは多少ハードルが高いかもしれないけど、それさえクリアすればOK。そこを超えれば大抵のことはできる、と思えるようになりました。

決断力と好奇心がクロスして、二人はこの街で家族になった。

「知りたい!」に導かれ、大阪の地へ。

一方、生まれ育った九州を拠点に、全国への出張もタフにこなしていた英里花さん。
大阪にたどり着くまでの道のりとは?

(ReHOPE)英里花さんは大阪に引っ越される際にあたって、お仕事はどうされたんですか?

(英里花さん)九州で勤めていた会社で、変わらず働いています。本社は東京なので、仕事内容も九州でしていたことをそのまま持ってきている感じですね。コロナ禍ということもありますが、これからもオンラインを主体としたスタイルが続いていく予定です。

(ReHOPE)まさに「仕事はそのまま、生活拠点を自由に選ぶ」という時代に即した生き方を実践されているんですね。どのようなお仕事をされているんですか?

(英里花さん)WEB系の企業で、人事採用担当者として働いています。今の会社に入る前は、大学の職員として学生の就職支援をしていました。学生を採用する側であるさまざまな企業から、さまざまな人が訪れるところです。その中で私自身、いろんな仕事、いろんな働き方があるんだなってことを実感して。大学は閉鎖的な環境だと言いますが、その反動も大きかったんでしょうね。民間企業で働いていろんな人に会いたいな、人と関わって連携するような仕事をしたいなと思って転職を決めました。

決断力と好奇心がクロスして、二人はこの街で家族になった。

休みの日を、無駄に過ごす贅沢

筋道を立てて伝えるのがうまく、ハキハキと話す英里花さん。
大好きだという韓国ドラマの話をする時だけは、声がワントーン上がる。

(ReHOPE)一緒に韓国ドラマを見たりされるんですか?

(英里花さん)私一人で見てます(笑)、彼はあんまり興味がないので。
(大志さん)韓国ドラマは見ないんですけど(笑)、家に引きこもって『キングダム』の単行本を一気に3周くらい読んだことはあります。

(ReHOPE)どうしてそんなことになったんですか!?

(大志さん)この家に引っ越してから一度、正月休みが大幅にズレたことがあったんです。その時に『休みの日を無駄に過ごす贅沢』という言葉を思い出して、『一週間海外旅行に行ったつもりで、家で過ごしてみよう』と思いついて。海外旅行一週間分くらいのお金をかけて、すごくいいタオルとか部屋着とかを揃えて、ホテルみたいに気持ちよくして、一週間分の食材も買い込んで家での時間を楽しもうと。昔は一日中外出してウロウロ、みたいな過ごし方も好きだったんですけど、この時をきっかけに家から出ない楽しさも知りましたね。

(ReHOPE)今も大志さんがもともと住まれていたお家ですよね。ワンルーム70㎡ってすごく珍しい物件だなと思うんですが。

(大志さん)僕は背が高いからか、狭い所がちょっと苦手なんです。だから広い部屋っていうのが絶対条件で、この部屋を見つけた時は本当に自分にぴったりの掘り出し物だと思って即決しました。

決断力と好奇心がクロスして、二人はこの街で家族になった。

一人から二人、広がる生活。

二人で住むことになったワンルームだが、もとの広さがファミリー仕様。
カーテンの間仕切りも効いて空間の使い分けもばっちりだ。

(ReHOPE)今のお家の中で、お二人のお気に入りの場所を教えてください。

(英里花さん)私は玄関かな。とにかく玄関が広くて、自転車を2台置いても余裕があるくらいのスペースがあるんです。シューズボックスは手作りだよね。
(大志さん)僕がスニーカー好きでとにかくたくさん持っているので、広い玄関を生かして作ってみようと思って。ウエディングの仕事をしていた時から、手作りの面白さみたいなものをたくさん経験していたので、作ること自体にずっと興味はありますね。
(英里花さん)あと、収納が広いのも助かりますね。持ち寄った家電とか、お祝いでいただいたものとか、二人で暮らすようになってすごくものが増えたんですけど、収納が広いからあまり目立たないで済んでいるかも(笑)
(大志さん)僕はキッチンからの風景が好きかな。全体を見渡せる感じで、ふっと落ち着きます。もし作り替えてもいいんだったら、カウンターのタイルは貼り替えたいなぁ。

決断力と好奇心がクロスして、二人はこの街で家族になった。

迷いなく、ここが新しい始まりの地。

新しい暮らしにまだまだ夢が広がり続ける二人。
それでも気になるのは、生まれ育った街を離れる「決断」をした時の英里花さんの心中。

(ReHOPE)英里花さんは新しい土地に来られて間もないですが、不安はなかったですか?

(英里花さん)最初はやっぱり不安でした。でも仕事は変わらず続けられる恵まれた環境にあったし、元来何かやりたいと思った時に動かなくちゃいけない、知らないことがあるなら知らなくちゃという考え方がベースにあるので、迷いはありませんでした。まだ来て日は浅いですし、コロナ禍ということもあるので、歩いたり自転車で移動できるような距離の所しか行っていないんですが、慣れて楽しんでます。

(ReHOPE)靱本町という街へのイメージはいかがですか?

(英里花さん)静かで、いい意味で大阪のイメージとは違うかな(笑)。だからこそ馴染みやすかったですね。 (大志さん)二人ともあんまり人混みが好きじゃないんです(笑)。静かな所で、ゆっくり過ごすのが好きで。これは僕の個人的な好みもあるんですが、遠くまで見えるような広々とした所が好きなんです。だから靱公園もよく散歩してますよ。

(ReHOPE)では最後に、お二人の靱本町の楽しみ方と望むことを教えてください。

(大志さん)よく行くお店は『軸』さんという蕎麦屋さん。高校時代の先輩がやっているお店なんですが、ここにいると高校生の時に戻ったような気持ちになれてすごく楽しいんです」英里花さん「韓国料理の『多松』さんもよく行くよね。料理もおいしいし、ママがとっても優しくて人柄にひかれます。
(英里花さん)韓国料理の『多松』さんもよく行くよね。料理もおいしいし、ママがとっても優しくて人柄にひかれます。
(大志さん)冬場はおでんを食べに『壱の蔵』さんに行くかな。おでんと熱燗の組み合わせが最高ですね。ちょっと行こうか、って気軽に行きたくなるお店。
(英里花さん)もしこれから新しくお店ができるんだったら、コンセントを刺して作業ができるようなカフェができたらありがたいかも。
(大志さん)僕は小さくてもいいから、銭湯ができたらうれしい。広い湯船に思いっきり浸かれる、銭湯ならではのあの感じを日常的に楽しめたら最高ですね。

物件情報 所在地  :大阪市西区江之子島
種別   :中古ビル
面積   :60.48㎡
築年数  :1980年03月
かかった日数
間取り 1ROOM