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ナチュラルとモードが共存する
二人の世界観が織りなす
「SI ET SISISI」

2021.3.8

ナチュラルとモードが共存する二人の世界観が織りなす「SI ET SISISI」

平井達也さん・慶子さんご夫婦の経営するアパレルショップ、店名は「SI ET SISISI(スー エ スースースー)」。達也さんの運営するブランド「SI-HIRAI」と慶子さんの運営するブランド「si-si-si comfort」を取り扱う。「si」には中国語でシルク、漢字の「糸」の音読み、さらには女の子の名前を想起させる「スー」まで掛け合わせたという、いたずら心を感じさせる店名だ。

ナチュラルとモードが共存する二人の世界観が織りなす「SI ET SISISI」

2010年、静けさを求めて公園の街へ。

(ReHOPE)お二人のショップは、こちらが初めてですか?

(達也さん)1998年に北堀江でブランドを立ち上げて以来、周辺で2店舗の経営を続けてきました。2010年にこのビルの3階にオフィスを構え、2年後には店舗もこちらに移転してきたんです。
地名のネームバリューを追うような店が増えてくると、客層も似てくるものです。そのような雰囲気に耐えられなくなり、少しずつ場所を移動しつづけ、現在に至るという感じですね。
(慶子さん)人がたくさんいるところより、静かな方がいいだけですよ。
(達也さん)僕たち二人とも大阪の専門学校を卒業後すぐに上京して、服飾の仕事に就きました。東京にいる時は他所者の疎外感はあったけど(笑)、それでも静かで落ち着いた場所や会社であれば自分たちらしく仕事に打ち込めたから、そういうタイプなんでしょうね。

ナチュラルとモードが共存する二人の世界観が織りなす「SI ET SISISI」

若い二人を鍛えた香港ライフ。

そんな中、縁あって香港に移住しデザインの仕事を受けるようになる。ヨーロッパやアメリカのブランドが崇められる風潮が根強い中、独特の文化を形成し熱を放っていた香港にひきつけられた。

(慶子さん)今の香港とは違いますし、いいことばかりじゃない。心細いこともたくさんありましたよ。
(達也さん)タクシーで見慣れない道が続く時とか、ドキドキしてましたね(笑)。グローバルでパワフルだった香港は、ビジネス面でも金銭的にも力をつけるのにはうってつけでした。でも、ファッションの視点から見るとまだまだ下請けの役割ばかり。自分たちが発信するというのは難しい状況で『日本人なのに製品は日本製でないの?それならいらない』と営業も断られ続ける日々。それなら日本製のものを作ればいいんだと帰国を決めました。

「エキゾチック」と言われる、直線の服。

(ReHOPE)洋服には香港のテイストが反映されているんでしょうか?

(達也さん)日本人には決して言われませんが、ヨーロッパの方には『とてもエキゾチックな服だ』と言われます。そうは見えませんよね(笑)。洋服は立体に作るとアイロンをかけるのがとても面倒なものです。僕たちはぺたんこにたたんだりクルクル巻いてかばんに入れたりできる、それでいて纏えば立体に着られる服、ということを念頭に置いています。だから型紙を作るとき、なるべくまっすぐの線でつくる。その部分が自然と作品の顔となって出てくるわけです。曲線を多用するヨーロッパの服の作り方とは成り立ちが違いますから、文化の違いが伝わるんでしょうね

ナチュラルとモードが共存する二人の世界観が織りなす「SI ET SISISI」

馴染みの店・風景、共にある人生観。

靱公園エリアに仕事場を移して15年以上、住まいを移して10年を越えた。
街の楽しみ方を教えてもらった先に、人生観もするりとこぼれる。

(ReHOPE)今でも、よく行く場所はありますか?

(達也さん)肥後橋センタービルの『ピッツェリア・ラポルタ』は昔からよく行くよね。昔ながらのイタリアンのお店で、お父さんの代から30年以上続いてる。僕たちは15年くらい通っているね。
(慶子さん)本格的なピザ窯もあって、朝近くを通ると煙が見えるんですよ。
(達也さん)お子様OKだから家族ぐるみで食事を楽しめるのもありがたいね。
(慶子さん)お店以外なら、この道を通って行きたいな、って道があります。木がたくさんあって気持ちいい。なにわ筋かな。(達也さん)中之島の風景も好きですね。整備された街並みと川、木々。洗練されていて

ナチュラルとモードが共存する二人の世界観が織りなす「SI ET SISISI」

お二人が振り返る「人生」

(ReHOPE)ありがとうございます。最後の質問です。今、お二人が振り返る「人生」について教えてください。

(達也さん)ちょうど昨日二人で話してたんですけど(笑)、『人生は壮大な暇潰しやなぁ』って。純粋にやり続けたいことって、何の意味もない、後世になんて残らないようなこと。経済的付加価値にとらわれている時は難しいけど、そういう無駄を遊べることこそが生きること、だと思います。働かなくてもいいって言われても、明日からも同じ生活をするでしょうね。

toi

住所 大阪市西区京町堀1-8-31 安田ビル1F
営業時間 12:00〜18:00
URL https://www.si-hirai.com